【小倉正男の経済コラム】イノベーションなければ「いいモノを安く」は無意味
■「名古屋企業」の元祖ノリタケ 2000年代前半は、いわば「失われた30年」のどん底を極めた時期である。不動産バブル崩壊により大銀行が膨大な不良債権を抱えて青息吐息、財閥などの垣根を超えて金融再編成が進行した。その大不況の真っ最中、トヨタ自動車などを筆頭に「名古屋企業」が異例の収益力の強さをみせていた。 実体は名古屋だけではなく、トヨタグループなど「三河企業」がその中核にあり、牽引していた面がある。東京からは、尾張(名古屋)も三河も同じにみえるが、地元ではそれぞれまったく違う..