「背広売れ行き」が語る日本経済の興亡史、消えゆく街角の景気バロメーター
■工場稼働率と背広需要の相関関係 内閣府が毎月発表している「景気ウオッチャー調査」は、約2000名の景気実感を集計・分析する経済指標として知られている。しかし、かつて景気実感を測る独特のモノサシとして注目を集めていたのが、神奈川県川崎市における背広の売れ行きである。この指標は、工業地帯の中心地である川崎市の特性を活かした、庶民の財布事情を映し出す鏡として機能していた。■証券マンの購買行動が株価の天井示唆 京浜工業地帯の中核を担う川崎市では、鉄鋼、化学、石油などの重工長大産業が..