コラム一覧

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【マーケットセンサー】AI株かバリュー株か、市場で高まる二極化の波

■日米金融政策が映す投資マネーの行方 株式市場では、AI株派とバリュー株派の主導権争いが一段と鮮明になっている。株式投資はギャンブルではなく、成長分野へのリスクマネー供給や老後資産形成に資する重要な経済行為である。ゆえに銘柄選定にはファンダメンタルズ分析や需給チェックが不可欠となるが、それでも強弱感や市場の“場味”によって評価が分かれる。不確実性が本質である市場では、こうした揺らぎこそが投資家心理を二分する要因となる。 現在の市場で特に目立つのが、AI(人工知能)関連株とバリ..

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【マーケットセンサー】師走相場は最終レースの様相、投資家心理が揺らす年末マーケット

■高揚感が判断を鈍らせる年末、投資家は何を見誤るのか 株式市場が一年の締めくくりを迎える師走は、投資家心理が独特の熱気を帯びる時期である。「終わりよければすべて良し」という空気が市場を覆い、勝ち組はさらなる利益の上積みを狙い、負け組は巻き返しに向けてアクセルを踏み込む。「掉尾の一振」への期待も強く、餅代やミルク代、越年資金の確保を意識する投資家の思惑が相場を揺らす。周囲の株高期待が煽りとなり、平時なら慎重な投資家でさえも、年末特有の高揚感に押し流されやすくなる。 こうした空気..

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買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります■買い落城の安峠・売り落城の高峠 買い方が力尽きて底値をつける局面が「安峠」、売り方が追い詰められ高値を形成する局面が「高峠」である。落城とは戦いに敗れて城を明け渡すことであり、峠は転機を意味する。安峠は底、高峠は天井の比喩だ。戦いには本来相手がいるが、株式投資では「銘柄を自分で選ぶのだから相手は存在しない。戦う相..

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ビットコイン急落、3日間で20%超下落、複合要因で半年ぶり安値圏に

■大口保有者の動きとレバレッジ清算が急落を増幅、ボラティリティ急拡大 ビットコインは11月中旬、直近3日間で高値から20%超下落し、一時900万円前後(約8万6000〜9万4000ドル)まで値を崩した。背景には、米国の金融引き締めを主因とするリスク資産全般の売り圧力に加え、ドル流動性の低下、機関投資家の利確売り、大口保有者の売却準備、量子技術リスクへの過敏な反応など複数要因が重なっている。加えて取引所・CeFiの不透明感やDeFi分野のハッキング懸念、米国・日本での規制強化観..

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人生も相場も身を乗り出せば景色が変わってくる=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります■人生も相場も身を乗り出せば景色が変わってくる 人生も相場も、一歩前に踏み出せば見える景色が変わる。学生時代、私は野球で遊撃手を務めていたが、かかと体重のままではゴロに追いつくことも、アウトを取ることもできなかった。素早く動くには、常にツマ先に重心を置き、前に倒れ込むくらいの意識が必要だ。多くのスポーツに通じる基本..

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【マーケットセンサー】拡大する「ブラックフライデー」経済圏、EC主導の消費行動変化

■アメリカ発祥セールが国内で定着、購買ピークの再編が進行 米国発祥の大規模セールイベント「ブラックフライデー」が、日本の年末商戦においても確固たる地位を築きつつある。もともと感謝祭翌日の金曜日に小売各社が大幅値引きを行う商習慣に端を発する同イベントは、1960年代にフィラデルフィアの警察が混雑を形容した呼称が由来とされ、後に「赤字から黒字へ転じる日」という意味が広がった。日本では2016年にイオンが大型販促として本格導入し、以降、総合スーパー、家電量販店、EC各社が参入した。..

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【マーケットセンサー】AI株調整でバリュー株に資金移動、巨大テックの勢い一服

■日米市場で資金シフト鮮明、投資家心理はAI継続に揺れる AI関連株の高騰が一服し、東京市場では資金がバリュー(割安)株へ移行しつつある。日経平均株価を史上最高値に押し上げたソフトバンクグループやアドバンテストなどの巨大テック株が高値波乱に見舞われ、前週には相場全体を押し下げる要因となった。投資家の間では「AIの次はバリュー株」との見方が強まりつつあるが、その持続性には疑問も残る。 米国市場では巨大テック企業による何兆円規模のAIインフラ投資が過熱気味とされ、採算懸念が浮上し..

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大谷翔平3年連続4度目のMVP受賞、市場が捉えた“スポーツ経済”の新局面

■MVPが企業価値を押し上げる構造、経済効果1300億円時代 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平が3年連続となる4度目のナショナルリーグ最優秀選手(MVP)を受賞した。今回の受賞は、個人タイトルの枠を超えた経済・社会現象として受け止められている。OPS1.014、55本塁打、防御率2.87という二刀流の成績は前例のない水準にあり、その存在感が日米両市場のセンチメントを左右している。国内では「大谷関連」銘柄の物色が強まり、伊藤園、アシックス、大正製薬、コナミ、セイコーGなどスポン..

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【市場羅針盤】野生と人間の境界が崩れる中、「クマ関連株」が新テーマに浮上

■森林開発と餌不足が背景、自治体はAIと防護策で対応強化 日本各地でクマによる被害がかつてない規模で発生している。環境省の最新統計では4~10月の死者が12人、負傷者が108人に達し、統計開始以来の最多水準となった。被害の約7割は山間部ではなく生活圏で起きており、住宅地や通学路にまで出没する事例も増えている。クマはもはや「山の動物」ではなく、人間社会の隣人となりつつある。 被害増加の背景には、ドングリ類の不作や森林開発、メガソーラー建設による生息地の減少がある。餌を求めて人里..

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【市場羅針盤】タマゴ高騰が続く、鳥インフルと猛暑が直撃し需給逼迫

■タマゴ関連株が年末相場の主役に? 全国の鶏卵価格は依然として高値圏で推移している。東京市場のMサイズは1キロ当たり335円、名古屋345円、大阪340円、福岡345円と主要市場で高水準を維持。店頭平均価格も7月の197円から11月には216円へと約10%上昇した。背景には、高病原性鳥インフルエンザの再拡大や輸入飼料コストの上昇、猛暑による産卵率低下など複合的な要因がある。さらに「月見商戦」やクリスマスなど季節需要も重なり、需給の逼迫が続いている。 鳥インフルエンザでは、北海..